仕事に対するZ世代の特徴や価値観とは?教育のポイントを紹介!

コミュニケーション

部下やチームメンバーを上手にまとめるためには、一人ひとりの個性や性格だけでなく、世代による価値観や考え方の違いも理解しておかなければなりません。

近年では、Z世代と呼ばれる若者が働き始める時代となっており、中にはZ世代との接し方で悩んでいる方もいるでしょう。

そこでこの記事では、Z世代ならではの価値観や、教育のポイントについて詳しく解説していきます。

※あくまで傾向性の話であり、Z世代の方全員に必ず当てはまる内容ではないことは、予めご承知おきください。

Z世代とは?

まずは、Z世代の定義と特徴について詳しく見ていきましょう。

定義

Z世代とは、1990年代後半から2010年頃に生まれた若者のことを指しますが、明確な定義はありません。

年齢で言うと、2024年現在では15歳から28歳あたりがZ世代と呼ばれています。

そんなZ世代という言葉は、アメリカから入ってきた言葉です。

アメリカでは、1960年代から1970年代に生まれた人のことを「ジェネレーションX」と呼んでいました。

この言葉が、1世代ごとにX、Y、Zと変化し、現在ではZ世代が話題になっているのです。

特徴

Z世代は、デジタルネイティブとも呼ばれています。

生まれたときから周囲にインターネット環境があるのが当たり前であり、スマホはもちろんのこと、パソコンについても難なく使いこなします。

また、Z世代はSNSネイティブでもあり、

・X

・Instagram

・Facebook

・TikTok

など、近年流行しているSNSへの抵抗も一切ありません。

仕事に対するZ世代の価値観・考え方

では次に、Z世代の仕事に対する価値観や考え方について、詳しく見ていきましょう。

柔軟な働き方を求めている

Z世代は、多様性を重視する傾向にあり、

・テレワーク

・リモートワーク

・副業・兼業

・パラレルキャリア

など、柔軟な働き方を求めている方が多いようです。

また、1つの会社に固執することがなく、転職に対してネガティブなイメージを持っていない方が多いようです。

チャレンジするのが苦手

Z世代は、リーマンショックや東日本大震災などを経験している世代でもありますので、安定を求める傾向にあるようです。

言い換えれば、チャレンジするのが苦手であり、全ての物事に対して保守的な考え方を持つことが多いといえるかもしれません。

バランスを重視している

Z世代の若者は、プライベートと仕事の両方を大切にしたいと考える傾向にあります。

どちらかというと、プライベートに重きを置いている若者が多く、仕事に全てを捧げるという働き方・生き方は好みません。

仕事仲間とプライベートでほとんど交流を持たない方も多く、飲み会や社内イベントなどに対しても消極的であることがほとんどであると管理職や人事担当者様から伺うことがあります。

Z世代の部下を持つ上司が抱える悩み

では次に、Z世代の部下を持つ上司が抱えている代表的な悩みについて詳しく見ていきましょう。

言われたことしかやらない

先ほども解説したように、Z世代は新しいことにチャレンジするのが苦手な人が目立つようです。

そもそもチャレンジという言葉をあまり好まない傾向にあるため、言われたことを淡々とこなすだけになってしまうケースもあります。

上司が1から10まで指示を出さざるをえないことがあるため、マネジメント効率が低下してしまう可能性があります。

すぐにハラスメントと言われる

近年では、

・セクハラ

・パワハラ

・マタハラ

などのハラスメントが注目されています。

ただ、中にはハラスメントに対して間違った認識を持っているZ世代もいるのです。

少し注意しただけでパワハラと言われてしまうケースもあるため、接し方に相当神経をすり減らしている管理職もいると思います。「10年前に現場の管理職をやっていた役員に相談してもわかってもらえない」という声も伺います。

向上心がない

Z世代は、ワークライフバランスを重視する傾向にあり、尚且つチャレンジを好まない傾向があるといわれています。

このようなことから、

「最近の若い人は向上心がない」

と悩んでいる管理職もいます。

ただ、実際は向上心がないのではなく、単純に価値観が違うだけというケースもあります。

Z世代ならではの価値観や考え方を知り、理解しようと努力することで、部下との壁や溝を埋めやすくなります。

過去の記事でもZ世代社員とのコミュニケーションのコツについて解説をしています。Z世代社員とのコミュニケーションにお悩みの方はこちらもぜひ合わせてご参照ください。

Z世代の個性を伸ばすために上司がやるべきこと

では次に、Z世代の個性を伸ばすために上司がやるべきことをいくつか紹介していきます。

Z世代の特徴を理解する

Z世代の個性を伸ばすためには、ひとまずZ世代の特徴を理解するところから始めなければなりません。

考え方や価値観を理解していないと、

・向上心がない

・覇気がない

・根性がない

というような、ネガティブなイメージが定着しやすくなります。

このような状態では、Z世代の個性を伸ばすことはできません。反発を生むだけです。

世代が違えば考え方や価値観が違って当たり前ですので、まずはZ世代がどのような価値観を持ち、どのような行動を取るのかを理解する努力をしてみましょう。

コミュニケーションの機会を増やす

この記事を見ている方の中には、

「Z世代の考えていることがさっぱりわからない」

と悩んでいる管理職もいるでしょう。

このような悩みを解決するためには、コミュニケーションの機会を増やすことが大切です。

そうすれば、Z世代のことも理解できるようになりますし、Z世代からの理解も得られるようになります。

小さな成功体験をさせる

チャレンジをするのが苦手なZ世代もいます。

ただ、個性を伸ばし、社会人としての成長を促すためには新しいことにどんどんチャレンジしていかなければなりません。

Z世代に挑戦する勇気を与えたいのであれば、小さな成功体験をさせることが大切です。

「時間内に終わった」

「自分の考えが採用された」

など、些細なことでも構いません。

このような小さな成功体験が、Z世代の原動力となるのです。

裁量を与える

Z世代にあえて裁量や権限を持たせることによって、主体性を引き出しやすくなります。

また、責任感も磨かれるため一石二鳥です。

中には、

「最近の若者は向上心がないから」

という理由で、一切裁量や権限を与えない上司もいますが、これではいつまで経ってもZ世代の個性やスキルを伸ばせなくなってしまいますので注意しましょう。

丁寧にフィードバッグを行う

Z世代に限った話ではありませんが、部下の個性を伸ばすためには、丁寧にフィードバックを行うことが大切です。

部下に仕事を任せ、その仕上がりを確認して指導を行うことにより、部下の成長を促しやすくなります。

フィードバックを行うときのポイントは、褒めてから指摘することです。

「ここは素晴らしい。ただ、ここを改善するともっとよくなるんじゃないかな」

というように、バランスの取れたフィードバックを行うことにより、Z世代のやる気やモチベーションを高めやすくなります。

やる気に火がつく声かけをする

Z世代にどのような声かけが効果的なのか悩む管理職もいるのではないでしょうか。

ソニー生命の調査(https://www.sonylife.co.jp/company/news/2024/nr_240418.html)で参考になるものがあります。

社会人1年生・2年生が落ち込んでいる時に先輩社会人に言われたら、やる気に火がつくセリフのベスト3は次の言葉です。

1位 君がいて助かった、ありがとう

2位 本当によく頑張った

3位 何でも相談してね

「こんなこと言えない」と言っている場合ではありませんね。管理職もバージョンアップしていく必要がありそうですね。

Z世代の部下を持つ上司がやってはいけないこと

Z世代の部下を持つ上司がやってはいけないことは、以下3つです。

・価値観の否定

・過度な叱責や批判

・世代を個人に当てはめた発言

価値観というのは人それぞれであり、正解や不正解はありません。

「ワークライフバランス?その考え方自体が間違っているんだ!」

など、頭からZ世代の価値観や考え方を否定すると、その瞬間に心を閉ざされてしまいます。

また、過度な叱責や批判は、Z世代のやる気やモチベーションを低下させる原因となります。

場合によっては厳しく指導したり、きつく言い聞かせたりする必要が出てくるケースもありますが、大声を張り上げたり、過度に批判したりするとZ世代との信頼関係が壊れてしまいますので注意してください。そもそもパワハラに該当してしまうかもしれません。

Z世代の部下を持つ上司が最も注意すべきなのは、世代を個人に当てはめた発言です。

今回紹介したZ世代の特徴は、あくまでも全体の話であり、実際には一人ひとり価値観が違います。

「Z世代だから仕方ないよな」

「Z世代はこれだからダメなんだよ」

というように、全体の傾向を個人に当てはめてしまうと、部下との信頼関係が壊れるだけでなく、敵対心や警戒心を持たれる可能性が高くなりますので注意しましょう。

あくまでも個人を見ることがとても大切です。

また、調査によるとZ世代の価値観は「二極化」が著しいようです(古屋星斗 2023 なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか “ゆるい職場”時代の人材育成の科学 日本経済新聞出版)。データからも世代で決めつけることは危険だということがわかります。

やる気が奪われてしまうセリフ

先程ご紹介したソニー生命の調査には「やる気が奪われてしまうセリフ」も紹介されています。ワースト3は次の言葉です。

1位 この仕事向いていないんじゃないの?

2位 もういいよ、別の人にお願いする

3位 私が若いころは〇○だったのに

管理職の役割の一つはZ世代の部下の育成です。やる気を奪ってしまえば、育成にもつながらないと思います。

まとめ

1990年代後半から2010年頃に生まれた若者のことを、世間ではZ世代と呼びます。

Z世代は、生まれたときから周囲にインターネット環境があるのが当たり前であり、スマホはもちろんのこと、パソコンについても難なく使いこなします。

そんなZ世代は、仕事に対して昭和世代とは異なる価値観・考え方を持っていることが多く、コミュニケーションや育成に頭を抱えている上司も多いです。

そのような方は、今回紹介したZ世代ならではの価値観や考え方を理解するところから始めてみてください。その上で、「Z世代だから」と大枠でくくるような発言をせず、個人を見てくことが大切です。

こちらが歩み寄れば、Z世代の若者たちも心を開いてくれるでしょう。

関連研修

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詳しくは、以下をご覧ください。

【管理職向け】ラインケア研修
https://mental-link.co.jp/wp/service/training/line_care/

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【全社員向け】タイプ別コミュニケーション研修
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※心理診断をもとにタイプ別にどのようなコミュニケーションを取るとより良い関係を築くことができるようになるのか理解し、実践することができます。

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