それってパワハラ発言!? 知らずに使っている声掛けリストと言い換え法

パワハラをしてしまった経営者にご自身のパワハラ発言について、なぜその言葉を言ってしまったのかヒアリングをすると・・・
「良かれと思っていったことです」「鼓舞しようと思って伝えたのに・・・」「私の若いころは普通に使っていた言葉ですよ」
などと言われます。「パワハラをするぞ!」と思って経営をしている人はいません。つまり、無自覚に良かれと思ってやっていることがパワハラになることがあるのです。そのため、今回は、悪気なくついうっかり使っているパワハラ発言を取り上げ、どのように言い換えるとよいのか具体的に考えていきたいと思います。「うっかり使いがちだ!」と気づいた方は、今日から言い換え例を参考にしてください。
●知らずに使っている「うっかりパワハラ発言」6つの例
悪気なくうっかり使ってしまいがちな「うっかりパワハラ発言」を6つ例に挙げてみました。ご自身の心理的背景を認識したうえで、改善例のように言い換えてみましょう。
<うっかりパワハラ発言①「もうやらなくていい」>
失敗した部下に対して「もう仕事を任せられない。いいよ、何にもやらなくて」と仕事を与えない状態が続いた。
・パワハラ発言者の心理的背景
大事なお客さまに迷惑をかけると信頼関係にひびが割れる、事業が立ち行かなくなるという心理が働くことがあります。ただし、業務を一切任せないようなことになると、過小な要求(業務上の合理性なく能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)に該当してしまう可能性があります。
・こう言い換えよう⇒
「この仕事はお客さまに〇〇という影響を与えてしまうので、ミスしてはいけない仕事です。2日間かけていいのでマニュアルをもう一度読み直してほしい」
「必要な知識は△と△だから覚えるように。わからないところがあったら、今週中に相談して。覚えたらまた取り組んでほしい」
以下の②~⑥のうっかり発言の「パワハラ発言者の心理的背景」「こう言い換えよう⇒」はドリームゲートの記事で続きをご覧ください。
<うっかりパワハラ発言②「徹夜して終わらせろ」>
サボらずやっているが、仕事が終わらない部下に対して「これが終わらないなら、徹夜だからな。乗り切ったら力つくから!」と言って激励した。
<うっかりパワハラ発言③「女性はやらなくていい」>
女性(Cさん)に「B社との交渉事は厳しい場面になるので、女性にやらせるのはかわいそうだね。やらないでいいよ」と言って担当から外す。
<うっかりパワハラ発言④「弱音をはくな」>
顔色の悪い部下から「(取引先の)D社の担当者からプレッシャーが凄くて今回の仕事をやっていく自信がないです」と言われた際に、「そんなことで弱音吐くなんて根性ねぇやつだなぁ···」と言って突っぱねた。
<うっかりパワハラ発言⑤「プライベートに立ち入る」>
職場の懇親会でFさんのスマホにある写真を勝手に見て「Fさんこんな趣味あるんだぁ。上司として部下の事は知っておかないとな(笑)」と言った。
<うっかりパワハラ発言⑥「センスない」>
業界経験があるJさんを中途社員として採用。社長が担当していた複数の企業を引き継ぐことになったが、引継ぎ内容に分からない点が多々あったため、度々Jさんが質問した。社長は「業界の経験あるんでしょ。それぐらい自分で何とかしてよ。こんなことまで私に聞いてくるなんてセンスないんじゃないの」と言って具体的な説明をしなかった。
経営者のパワハラ対策は「継続」がポイント
よく経営者の方から「宮本さん、私の発言ってギリパワハラではないですよね?」と聞かれます。私は「社長、ギリギリを狙わないでください」と伝えています。パワハラかどうかという基準は、人間関係において最低のラインです。つまり、そのラインを下回らないからと言って、より良い関係であるとは言えません。健康的で建設的な関係を構築することが、生産性を高め事業を成功に導くのではないでしょうか。
パワハラ対策について様々な記事を書いていますので、もしよろしければ、こちらをご覧ください。